トラウマ反応
トラウマ反応とは、神経系が状況を危険と読んだときに自動で走る生存反応のこと。危険が軽いものでも、とうに過ぎたものでも起こります。代表的なのは闘争・逃走・凍結・迎合の四つです。
神経系には、考える脳よりも古くて速い装置があります。ある瞬間を脅威と判定すると、理性が追いつく前に動き出し、防御する、逃げる、固まる、なだめる、のどれかに体を向かわせる化学物質を流し込む。これは意識的な選択の下で起きるので、意志の力ではほとんど届きません。
セラピストのピート・ウォーカーは、よく知られた闘争・逃走・凍結に並ぶ四つめとして、迎合(フォーン反応)を記述しました。予測のつかない大人の機嫌を管理しながら育った人にとって、迎合はしばしば初期設定になります。場を収める、空気を読む、衝突が起きる前に先回りして消す。日本で過剰適応と呼ばれる状態と、深く重なる反応です。
トラウマ反応は、どこかがおかしい印ではありません。多くは幼いうちに、何が自分を守るかを学んだ体です。問題は、その配線が入りっぱなしになり、そっけないメールや冷たい声色に、かつて本物の脅威が引いたのと同じ引き金が引かれること。反射に名前がつくと、たいていそこから、選択が初めて可能になります。
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参考文献
- ピート・ウォーカー(2013年)『複雑性PTSD 生き残ることから生き抜くことへ』(迎合を第四のトラウマ反応として記述)。
最終更新 2026-06-12
