心の境界線
心の境界線とは、自分の感情と相手の感情とを分ける線のことです。自分の感情には自分が責任を持ち、相手の感情は相手に持たせておく、ということを意味します。
友人から、動揺した声で電話がかかってくる。1分もしないうちに、夜の予定がまるごと、相手の気持ちを直すことに傾いていく。それが、心の境界線がゆるむ瞬間です。線があれば、その気持ちを消してあげるという仕事を引き受けなくても、相手を大切に思うことができます。
心の境界線は、幼いころに曖昧になりがちです。多くは、安全でいるために親の機嫌を読み続けなければならなかった家庭で、です。その場にいる全員に責任を感じる技術は、当時は賢く、役に立つものでした。あとになってそれは、近くの誰かが不機嫌なときの罪悪感、相手の反応を管理したくなる衝動、相手の落胆を自分の落ち度の証拠として扱うクセ、という形で現れます。アドラー心理学でいう「課題の分離」は、まさにこの線の引き方を指しています。
心の境界線を保つとは、温かいままで、感情をその持ち主のもとに置いておくことです。助け出そうとせずに、聞くことができます。相手が怒っていると知りながら、答えを変えずにいることもできます。相手の感情は本物です。そして、相手のものです。
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